言葉を紡いで、十年。錆びつくことのない物語を、これからも。
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ホラー

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【短編小説】マイルール

都内の私大に通うことになった僕、住吉健太すみよしけんたが見つけた物件は、破格の好条件だった。 大学まで徒歩十分、築年数は古いが広めの2DK。家賃は相場の半額以下。唯一の条件は「すでに入居しているルームメイトがいること」だった。「今の入居者さ...
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【短編小説】霧棲む廃村

車は、砂利と泥が混じり合った細い林道を唸りを上げながら進んでいた。時速は二十キロが限界だ。「飯島さん、本当にこの先があるんでしょうか? ナビが完全に沈黙してますよ」 助手席で三沢典子が不安げに声を上げた。彼女の声は、湿った空気の中でどこか吸...
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【短編小説】虚ろな森の鎮魂歌

朝靄が、車道の端に辛うじて残されたアスファルトを深く覆い隠していた。その霧はただ白いのではなく、湿気を過剰に含み、冷たい鉄の匂いをわずかに帯びていた。四輪駆動車のエンジンを切り、高野はシートにもたれかかった。沈黙が、突然、彼の鼓膜を強く圧迫...
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【短編小説】蛇ノ目ノ森の奉納者

時が止まったかのような深い森、そこが今回の目的地だった。村内勝晤むらうちしょうごは懐中電灯の細い光を頼りに、目の前のぬかるんだ斜面を見上げた。「おい、雅人。本当にここなのか?」 勝晤はそう言ったが、彼の声は湿った夜の空気に吸い込まれ、すぐに...